こんな理学療法士にはなるな!!

From:巽 匡(たつみ まさし)

僕は今、訪問看護ステーションで勤務しています。
担当している男性患者さんで、脊損(完全損傷)の方がいるのですが、
50代で、背丈も横幅も大きく、喋ると声に凄みがあり、威圧感たっぷりです。

ある日、その患者さんのところに訪問すると、いつもと、なんとなく雰囲気が違いました。
いつも通りであれば、たわいもない話をするのですが、会話が続かず、反応がよそよそしい。

いつもと違う雰囲気の中で、患者さんが一言
「脊損の理学療法をしてくれへん?」と・・・

最初は言っている意図が、よくわからなかったのですが、いつもと違う雰囲気で言われたので何かあるんだろうと思い、お話を聞かせていただきました。

どうやら以前に入院中、某病院で受けていた理学療法士の治療を相当気に入られているようでした。
参考までに、その理学療法士がしていた治療内容を聞くと、患者さんがそう言った理由がわかりました。
その理学療法士がしていた治療は
「障害された髄節レベルの皮膚を圧迫して刺激を入れることで、末梢神経を伸ばし、表在感覚の領域を広げる」というもの。

話を聞いて、え??って感じでした。
しかも、それをやっていたのが大阪の有名な病院の
元技師長がそう言って治療していたそうです。

皮膚押したら、末梢神経伸びんの?
そもそも原因は脊髄損傷で、
そんなことして治るわけありません。

ただ患者さんはその治療を本気で信じていました。

だから僕にもその方法で治療をしてほしい。
その技術を学んできてほしい。
脊損を少しでも治してほしい。と

僕は、求められてないやろなーと思いながら、
できるだけ厳しい言い回しをしないように、
脊損の病態と、理学療法の適否について説明しました。

そうすると
「医者と同じこと言う、クソ理学療法士はいらんねん」
と言われ、俺がクソ理学療法士やったら、ぶっ飛びPTは
クソうんこ理学療法士やろ、とか思いながらその時は聞いてました。
久しぶりに患者の言葉にイライラしました。

しかし、よく考えると、この患者さんの言葉は意味のわからないPTのせいで生まれてます。
障害受容できていない患者に、うまいこと言いながら、脊損を治療しているかのように振る舞い、治せないままに期限がきたらさようなら。

患者はそんなPTの言葉を一生信じて、一生苦しむかもしれません。
実際に信じている患者さんがいます。
その後に担当するPTからしたら本当に迷惑です。
ほんと足引っ張ってます。

理学療法士は病気を治すことはできません。
医療人として、理学療法士として
患者に何ができて、何をすべきなのか本質を知ってください。
今日はそんなお願いブログです。

P.S.
訪問した後で当スタッフの看護師に
ぶっ飛びPTの治療を話したら笑われてました。
こんなこと言ってたら医者からも看護師からも笑われますよ?

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